高濃度フッ化物配合歯磨剤について

2017年から高濃度配合フッ化物配合歯磨剤が、医薬部外品とし承認されました。
スーパーやドラッグストア、歯科医院で購入できるようになり歯磨剤の種類も様々なものがあります。
フッ素は子どもだけと思われている方もいると思いますが、むし歯リスクが高い方には高濃度のフッ化物配合歯磨剤を使用して効果的に役立てましょう。

フッ素・・・ミネラル成分の1つで、普段私たちが食べている魚、野菜、お肉などほとんどの食品に
含まれています。

フッ素の効果・・・

酸の抑制
歯みがきで落としきれなかった歯垢の中にいるむし歯菌の働きを弱め酸を作られるのを抑えます。


歯質強化
歯の質を強化して、酸に溶けにくい歯にしてくれます。


再石灰化の促進
歯から溶け出したカルシウムやリンの再沈着を促進します。

フッ素の利用方法

①フッ素配合の歯磨き剤で磨く

歯磨き剤を選ぶ時にパッケージの成分表示を見てフッ素が入っている物を選びましょう。
フッ化ナトリウム(フッ素)フッ化第一スズモノフルオロリン酸ナトリウムとも表示されています。
ただし、パッケージに1,000ppmを超えるとされているものは6歳未満のお子さんには使用を控えて下さい。
 ppmの単位とは「parts per million(パーツ・パー・ミリオン)」の頭文字を取ったもので、百分率を表す「%」の1万分の1の単位記号です。
 100ppm=0.01%, 1,000ppm=0.1%, 10,000ppm=1%


 
ポイント

①年齢に合った歯磨きの量の歯磨剤を付ける
②歯磨剤を歯面全体に広げる
③2~3分間、泡立ちを保つように磨く
④歯磨き剤を吐き出す
⑤5~15㎖(ペットボトルのキャップ1杯分)の水を口に含む
⑥5秒程度ブクブクうがいをする
(フッ素が歯面に残るようにうがいは1回程度にし、その後1~2時間は飲食しない方が望ましい)


歯磨剤のフッ化物濃度が1,000ppmから1,500ppmに上がると、う蝕予防効果が6%増加することが臨床効果
出ています。
高濃度フッ化物配合歯磨剤の対象年齢は、基本的に15歳以上です。

特におすすめしたいのは・・・

①「磨きすぎ」や「酸性飲食物」による歯根露出と知覚過敏が気になる若い人
予防に熱心なあまり、硬い歯ブラシで力強く磨く事で、短期間で歯肉が退縮し歯茎との境目が露出し、知覚過敏を起こす高校生や大学生が多くなっています。

②「根面う蝕」予防が必要な高齢者
根面う蝕はエナメル質よりも柔らかい象牙質にでき、ひとたび出来れば進行も早い疾患です。

③男性より女性の方
女性の方が唾液が少なく、エナメル質硬度が低いので歯質を強化する必要があります。

④ミュータンス菌レベルが高い人
ミュータンス菌が口の中にたくさんいる人は、それだけでう蝕になりやすく出来る限りの対策をお伝えすべきで、う蝕予防が高い1,450ppmフッ化物配合歯磨剤をお勧めします。


歯磨剤の種類は様々あるので、購入の際はパッケージの成分表示に注目して、高濃度フッ化物配合歯磨剤を
使用してみて下さい。

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