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子どもの歯並びがガタガタに!最近増えているって本当?歯科医師が解説


こんにちは!

岡山市東区のさかい歯科クリニック、副院長の坂井です。

これまでのブログでは、「受け口(反対咬合)」や「出っ歯(上顎前突)」についてお話ししてきました。

今回から新しく始めるのは、

「ガタガタの歯並び」シリーズ!

🔻🔻受け口編はこちら🔻🔻

🔻🔻出っ歯編はこちら🔻🔻

歯科では、ガタガタの歯並びを

と呼びます。

当院でも、お子さんの歯並びについて、こんなご相談をいただきます。

「乳歯のときはきれいだったのに、永久歯が生えてきたらガタガタになってしまった!」

「下の前歯が、乳歯の後ろから生えてきたんです!」

「顎が小さいから、歯が並ばないんでしょうか?」

「このまま様子を見ていても大丈夫ですか?」

特に6〜8歳頃、前歯が永久歯に生え変わるタイミングで、初めて歯並びを気にされる保護者の方は少なくありません。

では、なぜ永久歯になると歯並びがガタガタになってしまうのでしょうか?

そして、最近の子どもたちは昔より歯並びが悪くなっているのでしょうか?

今回は、『子どもの歯並びがガタガタになるってどういうこと?』をテーマに、わかりやすく解説していきます!

私は日頃から小児矯正の診療に携わっており、2026年には歯科医師約140名を対象とした講演会にて、不正咬合をテーマに講演する機会をいただきました。今回も、不正咬合の一つである『叢生』についてわかりやすく解説していきます!

2026年 第1回BTB総会にて反対咬合をテーマに140名の歯科医師の先生方へ講演<br />

歯並びがガタガタになっている状態を、歯科では『叢生(そうせい)』と呼ぶとお伝えしました。

これは簡単に言うと、

です。

例えば、4人分の椅子に5人が座ろうとすると、全員がきれいに並んで座ることはできませんよね。

歯並びも、それと似ています。

歯が並ぶ場所に対して、歯の大きさの合計が大きすぎると、歯は前後に重なったり、斜めに生えてきたりします。

ただし、歯並びがガタガタになる原因は、単に「顎が小さいから」だけではありません。

  • 歯の大きさ
  • 歯列の幅
  • 乳歯の抜ける時期
  • 永久歯が生えてくる方向

などさまざまな要因が関係しています。

このあたりは次回の「原因編」で詳しくお話しします!


ここは、保護者の方にぜひ知っていただきたいポイントです。

乳歯のときにきれいに並んでいたからといって、永久歯もきれいに並ぶとは限りません。

その大きな理由は、

です。

特に前歯は、一般的に乳歯より永久歯の方が大きくなります。

そのため、乳歯がぴったり隙間なく並んでいた場合、永久歯に生え変わるとスペースが足りなくなることがあります。

一方で、乳歯の前歯の間に少し隙間があるお子さんもいます。

「すきっ歯で心配です」と相談されることもありますが、乳歯列期の隙間は、実はむしろこれから生えてくる大きな永久歯のために役立つことがあります。

つまり、

「乳歯が隙間なくきれいに並んでいる=将来も安心」ではない

ということです。

もちろん、乳歯に隙間がないからといって、必ず永久歯がガタガタになるわけでもありません。

顎の成長や歯列幅の変化などによって、ある程度スペースが補われることもあります。

大切なのは、今の乳歯の並び方だけでなく、

「これから生えてくる永久歯が、きちんと並ぶ場所があるのか?」

という視点で歯並びを見ることです。


6〜7歳頃のお子さんで、よくあるご相談の一つです。

「乳歯がまだ抜けていないのに、その後ろから永久歯が生えてガタガタです!」

初めて見ると驚かれるかもしれません。

下の前歯の永久歯は、乳歯の舌側、つまり内側から生えてくることがあります。

乳歯が抜けたあと、舌や唇の力、萌出に伴う変化などによって、永久歯の位置が改善するケースもあります。

そのため、

「後ろから生えてきた=すぐに矯正が必要」ではありません。

ただし、すべて自然に改善するわけでもありません。

乳歯がなかなか抜けない場合や、永久歯の生えるスペースが著しく不足している場合には、乳歯の抜歯や矯正的な対応を検討することもあります。

特に、

といった場合には、一度歯科医院で確認してもらうと安心です。

大切なのは、永久歯が生えてきた位置だけを見るのではなく、今後自然に改善する余地があるのかを判断することです。

Screenshot

ここは、少し意外に感じられるかもしれません。

「最近の子どもは顎が小さい」

「昔より歯並びが悪い子が増えている」

という話を聞いたことはありませんか?

私自身も、日々お子さんの診療をしていると、歯が並ぶスペースが不足しているケースに多く出会います。

しかし、

「現代の日本の子どもは、昔より叢生が増えている」と断言できるかというと、実は簡単ではありません。

海外では、不正咬合の有病率の経年的な変化を調べた研究があります。

例えば、中国の乳歯列期の不正咬合を調べたシステマティックレビューでは、調査年代によって有病率に変化がみられ、近年の報告で高い値が示されています。

ただし、この研究で扱っているのは叢生だけではなく、不正咬合全体です。

🔻🔻不正咬合≠ガタガタ です🔻🔻

また、調査地域や診断基準、対象となる子どもの年齢などによっても結果は変わります。

そのため、この結果をそのまま日本の子どもに当てはめたり、

「最近の日本の子どもはガタガタが増えている!」

と結論づけたりすることはできません。

ただ、ここもしっかり『私個人の意見』と前置きした上でにはなりますが、ガタガタの子は増えていると感じます。

学校検診などでも、正常な歯列の子の方が圧倒的に少ないと感じることが増えています。

では、なぜ歯並びの問題を抱える子どもたちがいるのでしょうか?

それを理解するためには、「顎の大きさ」だけではなく、歯の大きさや生え変わり、生活習慣など、さまざまな視点から考える必要があります。ここについては次回、詳しく解説いたします!


「少し歯並びが悪いだけなら、別に困らないのでは?」

そう思われる方もいるかもしれません。

確かに、すべての叢生が大きな健康問題につながるわけではありません。

ただし、歯の重なりが強い場合には、いくつか気をつけたいことがあります。

歯が重なっている部分は、歯ブラシの毛先が届きにくくなります。

特に永久歯が生えたばかりの時期は、歯の形や生え方によっても磨き残しが生じやすくなります。

もちろん、歯並びがガタガタだから必ずむし歯になるわけではありません。

むし歯には、食習慣、フッ化物の使用、歯磨きなど多くの要因が関係しています。

しかし、歯が重なっている部分は清掃が難しくなることがあるため、注意が必要です。

これが意外に大きいと感じています。

小学生でそんな見た目なんか気になるの?と思いますが、

『歯がガタガタで歯を出して笑えない』

『歯並びを学校でイジられた』

など、保護者の方以上に審美的な観点でコンプレックスを感じているお子さんが多いのは事実です。

特に女の子は小学生でもかなり自分の『見た目』という部分が気になる年頃な印象があります。

この時期に歯を出して笑えるのか?という観点で歯並びは大きな影響を及ぼし得ます。

私が小児歯科医として特に重要だと考えているのが、この問題です。

永久歯が生えるためのスペースが大きく不足していると、歯が本来の位置からずれて生えてきたり、正常に萌出できなくなったりすることがあります。

特に注意したい歯の一つが、

「犬歯(3番)」

です。

犬歯は前歯の中でも比較的遅く生えてくるため、それまでにスペースが不足していると、歯列から外れた位置に生えてくることがあります。

また、上顎犬歯では、萌出方向の異常や埋伏などを早期に発見することが重要です。

ただし、犬歯の埋伏はスペース不足だけで起こるものではなく、歯胚の位置や萌出経路など、複数の要因が関係します。

だからこそ、

「今の前歯がガタガタしているか」だけでなく、「これから生えてくる歯がどこにあるか」

まで確認することが重要なのです。


ここも非常によく聞かれる質問です。

結論から言うと、

特に前歯が生え変わる時期には、永久歯の萌出や歯列の変化によって、軽度の重なりが改善することがあります。

一方で、スペースが大きく不足している場合には、自然な変化だけでは十分に改善しないこともあります。

では、その違いは何でしょうか?

大切なのは、

「歯が並ぶために必要なスペース」と「実際に使えるスペース」

を比較することです。

例えば、永久歯が並ぶために必要なスペースが30mmなのに、実際には27mmしかなければ、単純計算で3mmの不足があることになります。

ただし、この数字だけで治療方針が決まるわけではありません。

今後の生え変わりで利用できるスペース、歯の傾き、歯列の幅、噛み合わせ、顔貌なども総合的に考えます。

つまり、

「ガタガタだから矯正」でもなければ、「まだ子どもだから様子見」でもありません。

今後どのような変化が起こりそうかを予測しながら判断することが大切です。


私がおすすめしたいのは、

です。

もちろん、乳歯列期から噛み合わせに問題がある場合や、歯の萌出に異常が疑われる場合もありますので、早いに越したことはありません。歯列不正は、授乳などの要因の影響も受けるとされていますので、出生前に保護者の方が正しい知識をつけておくことも重要であると過去の記事でも解説しました。歯列不正の予防は『マイナス一歳から』です。

『治療』ではなく『予防』するのであれば低年齢からのご相談がぜひおすすめです。

そして、ここで強調したいことがあります。

「矯正相談をする時期」と「矯正治療を始める時期」は同じではありません。

これも過去にも何度もお伝えしていますね。

相談した結果、

「今は治療を始めず、永久歯の生え変わりを観察しましょう」

となることもあります。

反対に、

という判断になる場合もあります。

アメリカ小児歯科学会(AAPD)のガイドラインでも、混合歯列期におけるスペース不足や歯の萌出異常の評価、必要に応じたスペースの維持・獲得などが重要な診療項目として挙げられています。

大切なのは、全員が早く矯正を始めることではなく、

「必要なタイミングを見逃さないこと」

です。


今回は、子どものガタガタの歯並びについてお話ししました。

ここまでの内容をまとめると、

  • 乳歯がきれいに並んでいても、永久歯でガタガタになることがある
  • 永久歯への生え変わりに伴い、自然に改善するケースもある
  • 一方で、スペース不足が大きい場合には自然に改善しないこともある
  • 最近の日本の子どもたちは叢生の子が増えていると『個人的に』感じています
  • 大切なのは、これから生えてくる永久歯のスペースまで考えること

ということです。

私は、小児矯正の大切な役割の一つは、

「今見えている歯をきれいに並べること」だけではなく、「これから生えてくる永久歯が、できるだけ良い環境で生えてこられるように考えること」

だと思っています。

そのためには、今の歯並びだけでなく、これからの成長や生え変わりまで見据えた診断が欠かせません。

そして、ガタガタの歯並びを考えるうえで、次に知っていただきたいのが、

「そもそも、なぜ歯が並ぶスペースが足りなくなるのか?」

という問題です。

「最近の子どもは顎が小さいから?」

「遺伝で決まるの?」

「口呼吸や食べ物は関係するの?」

次回は、

『歯並びがガタガタになるのは、顎が小さいから?本当の原因を解説!』

というテーマで、叢生が起こる原因について、研究論文をもとに詳しくお話しします!

🔻🔻ガタガタで抜歯矯正を行なった私自身の体験談はこちらから🔻🔻

岡山市東区・赤磐市・瀬戸内市周辺で、お子さんのガタガタ・叢生・小児矯正について気になることがありましたら、ぜひ一度さかい歯科クリニックにご相談下さい。

【さかい歯科クリニック 小児矯正ページはこちらから。ガタガタの症例も多数掲載しています】

参考文献

  1. American Academy of Pediatric Dentistry(AAPD), 2024. Management of the Developing Dentition and Occlusion in Pediatric Dentistry.
  2. Prevalence of malocclusion in primary dentition in mainland China, 1988–2017: a systematic review and meta-analysis.Scientific Reports, 2018.

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